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新型コロナに対する振り返りと、長期化による最善シナリオの考察

おそらく緊急事態宣言は5月6日に解消されることはないだろう。
可能性があるとしたら、引き続き感染元となる三密を引き起こす営業活動は休業し、その他に関しては自粛を続けながら経済活動は再開するといったところか。・・・本当か?

 

経済活動が止まっている状態は、本当に不幸だ。
一度動き出していたものを急に止めると膨大なストレスがかかるように、経済もまた、急激な停止にめちゃくちゃ弱い。
内部留保を2年分蓄えていた経営者は本当に素晴らしいと思う。2017~2018年にかけて、世論では「内部留保に税金をかける」といった言説が飛び交い、大胆な金融緩和を中心としたアベノミクス以降、大企業を中心になぜか投資活動をしないことが問題視されていたが、リーマンショックのようなブラックスワンに対処するために最適という判断をとっていた企業は、結果として雇用維持するだけの社会的責任を果たしている。
これを皮肉と捉えるか、慧眼と捉えるかは自由だが、少なくとも今回の国としての対応を見るに、自社生存の方針を取った企業は結果論として正しかったと言えるだろう。

 

 

対する僕は経営者としては失格なのだと思う。この事態をまるで想定できなかった。

だけど、このような歴史的状況なので、今の自分がどう感じているかをしっかりと残しておきたい。そして今後の自分を戒めるために。

 

 


中国でコロナ感染が生じた時、クルーズ船で感染が始まった時、
僕は楽観的に、日本に上陸することはないか、感染源がわかっているのであれば封じ込めることはできるだろうと思っていた。
しかし政府は、ある種僕の予想通りに、まるで国内にウイルスをばらまくかのような対策をとった。
それら一連の対策をみて、僕はこのコロナというものを当初、どう捉えていたかというと、
「この新型コロナを契機に、オリンピックを中止にし、不景気が回復できなかった理由をすべて新型コロナのせいにしたい」のだと思っていた。
そして致死率でいえば、高齢者が肺炎で死亡してしまうリスクが高く、若年は比較的軽症で済むといったことから、

これは少子高齢化を事実的に解消することになるのだろうなというふうに勘ぐった。

 

 

そんな日和見の生活を送っていたところに、テレビのテロップで「ダウ暴落」が起きた。恐慌が始まったのだろうか。
当初は原油価格の影響によるものという発言をトランプがTwitterで行っていたので、「金融不安を招かないようにそういうしかないだろうな」というふうに思っていたが、

つい先日、原油が史上例をみない状況になった。マイナス価格。マイナス価格!?

リゾートマンションなど、維持費+固定資産税がとんでもないような一部の不動産でマイナス価格というものはどうやらあるらしいということを知っていたが、
金融商品になる原油がマイナス価格になるとは。。きっと金融市場に少なくない影響を与えるだろう。

 

そしてオリンピック延期がWHOとの間で取り交わされた翌日に急激な感染者数の増加。待ってましたと言わんばかりに。そして緊急事態宣言が発令されていく。

 

 

 

陰謀論にも勘ぐりを入れた。米国が武漢にウイルスを撒いたのか、あるいは中国が世界中に感染することを見越していたのか。。。

武漢のロックダウンはとんでもなく迅速に行われていた。更地に病床を10日で作ってしまうくらい、とんでもないスピードだ。もしかしたらそれが中国スタンダードなのかもしれず、日本がとんでもなく遅いだけなのかもしれないが。
このスピードは、「ウイルスによる戦争状態」を想定していない限り実現できなくないか?というふうに思っていた。

ヨーロッパへの感染が広がり始めた時、仏首相マクロン氏がいち早く「これは戦争状態である」と宣言をした。やっぱりとんでもなく優秀な人なのだろうと思った。ドイツフランスはロックダウンを迅速に実行し、休業補償を手厚くしている状態だった。


ビルゲイツは2015年にはすでにこの状況を予想していたようだ。「十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない」とだれかがいったように、十分に発達した知性は未来予知と見分けがつかない。

 

 

いずれにせよ、米中戦争の引き金になるには十分すぎるほどの恐慌状態になってしまった。トランプは中国にずっと戦争を仕掛けているし、中国はこの状況下で領土拡大に勤しんでいる。
今回のコロナ影響で中国史に興味が湧き、少しだけ勉強してみたりする。僕は日本史で受験をしたので、世界史をあまり勉強してこなかったのもあって、中国が統廃合+侵略を繰り返してきた歴史を抱えていることに無頓着だった。

シナリオとしてあるとするならば、中国共産党政権悲願の世界共産主義化計画の佳境とでもいうのだろうか。もし仮にそのような崇高な理念のもと、習近平氏が目的のためなら手段を選ばないタイプのサイコ意思決定をしているのだとしたら。可能性はなくはない。

 

 

 

他方、非常事態宣言が発令されてから、営業活動はまるで難航し始めている。
そんな中でも取引に応じてくれる企業があるのは本当に幸運なことだ。
政策金融公庫も2月にはすでに動き出していたというのに、審査が大幅に遅れている。
すでに動き出していたということもあって、安心して今年いっぱいはなにがあっても大丈夫という状態を作りに行っていたのだが、状況が変わりつつある。

しかも創業が1月で、売上が立っていない状況なので、コロナ融資を活用することができない。
こればっかりは運が悪かったとしか言えない。どう生き延びていくかにもっと注力していかなければならない。生き残る手段はいくつもあるが、常に最善を打っていけるように、考え抜かねば。

 

正直言えば、当初ホリエモンが言っていたように、「インフルエンザとどう違うの?」と思っていたし、純粋な致死率でいったらインフルの方が高い。ワクチンがないのは問題だけど、すぐに治療法が確立されると思ったし、メディアのプロパガンダなんではないの?というのが当初想定だった。自分たちへの影響は軽微か、むしろポジといったように。

一方で1月末くらいから、コロナの長期化を予想して、銀行融資を全て行いきっている経営者もいる。読み違いだ。思慮の浅さを恥じた。これはつらい。

 

 

おそらくだけど、このコロナは戦時中と思って舵取りを取らないといけない局面なのだと思う。放置戦略を取らないのであれば、僕が考える政府対応はこのようになる。


生活必需品+不動産価格の政府による統制を行いながら、国民全員に一律給付するための政府紙幣の発行

もしくはベーシックインカムのようにお金を配るしかない。
財源を賄うことができないので、今こそお金を刷るべきなのではないかと僕は思う。

 

今後の対策を検討するにあたり、過去に起きた事例を調べた。
例えば、WW1後のドイツ。マルクを大量に刷って軍備費支払いと賠償金に充てたが、供給が増えていないのでハイパーインフレが起こった。その後ヒトラーによる公共事業の展開(具体的にはアウトバーンなど)により、経済の立て直しをした。これはその後のケインズ政策にも継承されていくのだろう。

戦時中は日本でも配給を通して必需品の政府コントロールが行われた。

 

また、リーマンショックによる、日本の影響。当時は非正規雇用の解雇が相次ぎ、日比谷公園で派遣村が生まれ、年越しには炊き出しが行われた。

 

今回のケースでいうと、おそらくそれぞれの事例を横展開しても成果はでないだろう。

まずなんとしても避けなければならないのは、3ヶ月後に起こり得る大量の失業者がクラスターを生み出してしまうことだ。
営業活動停止によって不動産家賃が支払うことができず、住む家を失ってしまった人たちは、前回のように集団生活に移行することはできないだろう。本当に感染を防ぎたいのであれば、国民の住居を補償する必要がある。

そのためには月々の経済補償が必要で、そのための給付金はマスト。じゃあ仮に国民全体に10万円を配ったとしたら、10兆の財源が必要になる。確か50兆程度の財源確保は可能だが、100兆規模は今の日本の財政状況だととても対応仕切れない。つまり、2ヶ月後に倒産するみたいな状態だ。

 

そうなったら国債を発行するか、紙幣を刷るくらいになるだろうが、懸念されるのはハイパーインフレ。当然富裕層は反対するだろうが、僕は基本的にはハイパーインフレのようなある種のデフォルトは定期的に起きていれば格差是正に役に立つという過激派なので、歓迎している節はある。
また、ハイパーインフレを気にして政策が断行できないのもどうかと思う。

しかしもっと言えば、「なぜハイパーインフレは起きるのか」である。
紙幣とモノの需給バランスというのは高度に複雑化したグローバル経済下において、だれがどのように管理しているのだろうか。

生産者は国民の紙幣が増えたことを見越して物価を本当にあげるのだろうか?
確かにニンテンドースイッチは、その需要に応じてメルカリで高額販売されているが。

もし仮に生産者や卸や小売業者がその価格を不当に釣り上げるのだとしたら、
政府主導で価格統制を行うべきだと思う。例えば豚肉は100gあたり200円以上で販売してはならないと言ったように。
これを「ノーインセンでできるわけなかろう」というのであれば、おそらくノーインセンの自粛はまるで効果がないだろう。

また、この政策が全体主義を助長すると言った意見に関しても、「全体主義はその必要性において最善だったからそうだった」としか言えず、認識を改めて、「今は戦時中と言って良い」としたほうがよかろう。全体主義は生存における結果論でしかなく、ベターな選択肢だったから、流行ったのである。

 

価格統制のオペレーション自体は、おそらくそこまで難しくないだろうと思う。
むしろ、大量失業者によるハロワ崩壊、生活保護システムの崩壊の方が恐ろしいし、そのオペレーションを回すくらいだったら、一律で商品価格を規定したほうが楽だと思う。また、肉には肉のランクがあるのだろうから、その辺はよしなに価格レンジを決めていくのがよい。多分、それよりも高い小売価格で販売されていたらどうせ弊国民が通報するだろうから、心配無用なんである。

 

では生産者側や小売側は利益享受できるかでいうと、できると思う。
生産者側は利益率をあげるために生産性をあげるきっかけになるだろうし、
品質を下げて生産したものは、最終消費者が購入しなければ小売も仕入れなくなるはずなので。

不動産価格についても、緊急事態状況での家賃引き上げの禁止としていくのが良い。
失業によって家賃が支払えなくなってしまった場合は猶予を設け、行政で運営している都営住宅、市営住宅に引っ越すことになるだろう。当然地方に住むことも含め。

 

マイナンバーを活用して政府紙幣であったり、電子決済が可能な配給を行うこともできるだろう。小売業者はてんやわんやになるが。
政府紙幣を刷るにもだいぶ大変なので、どうなるかは不明だが、今からやれば7月までには準備できるのではないだろうか。

 

計画経済は盲目的に悪だとされやすいが、先進国においてはすでに混合経済だ。これは市場の失敗に対処するために不可欠であるから。
その中でも特に、価格統制による半官半民のような状態をとることに違和感を拭えない人たちはたくさんいるだろうが、事態は戦時中なので、しのごの言っている場合ではないと僕は思う。

 

スペインがすでにBI移行したように、これから続々と、コロナによる社会変革を余儀なくされる国々が続出するだろうが、それは中国政府にとってとても都合のいい状況であるとも言えるわけで。
日本はどうなるのだろうか。社会主義と資本主義が半々で動いている状態。

そういうこと考えていると、現実っていうのは本当に、小説よりも奇妙で、まるでフィクションのように感じられる。